願いの後先(5)

















あの、笑顔が引っかかる。
地球行きのシャトルに乗ったディアッカは前の方で座っている歌姫の後姿を見つめていた。
こりゃ、何かあったな。
うーんとしばし思いあぐねていると隣から「おい」と声をかけられた。
「何だ?イザーク」
「ラクスはどうしたんだ?」
イザークも思ってたか。
「さぁな。大方、キラと何かあったんじゃねーの?」
「まぁ、そうだろうな」
珍しく、他人を気にするイザークを見て少々笑みが零れそうになる。
こいつ、良い奴だよなぁ。
「ま、当人同士の問題だろうけど」
一言呟くと、やはり気になるラクスの後姿を見つめた。
ミリアリアに相談してみるか。
一人口の中でそうごちると、隣で寝たふりをしているイザークに倣って自分も目を閉じた。
もう、すぐそこまで地球は迫っている。



「はぁ?キラの様子?」
突然、ケータイが鳴ったかと思えば、声の主の様子に少々驚いた。
「何でまた」
「いや、今日ラクスと居合わせたんだけどちょっと様子がおかしかったからさぁ」
「だったら、自分で見に行けば」
私だって仕事あるんだってばと抗議しつつも、ふむと友達の顔を思い起こす。
そう言えばいつだっけ、最後に会ったの。
キラも忙しいだろうなと思って連絡してなかったわ。
うん、最後に会ったのは…3ヶ月前ね。確か買い物に付き合ってもらったんだもん。
「そんな、冷たいこと言わないでさぁ〜」
もはや、声の主の懇願が耳に響くだけ。ったく、私が忙しいこと知ってるくせに。

ね、ミリアリア。頼むよ。

「……もう、しょうがないなー」
頼まれると断れない性分だってわかってるのに、そう言う?
ずるいのよね。
「よっ!それでこそミリアリア」
ホント、調子いいんだから。
一つため息つくと、再度尋ねる。
「わかったわよ。キラに会った後、会うってことで。うん、出る時連絡する。今日は奢ってよね、ディアッカ」
プチっとケータイを切るとその場でキラとラクスの顔を思い巡らせる。




キラの、様子見てきて。




ラクスの様子、おかしかったから……





ディアッカが言うのだから、おかしかったのだろう。アイツ人のこと見てないようで見てるし。
まぁ、いいや。
とりあえず、そこにいる二人に尋ねてみるかと思いミリアリアは足の速度を少々速めて目的地まで急いだ。
ほら、あそこにいるわ。


カガリとアスランが。