八番目の小夜子〜言霊伝ひ〜
1.伝ふ言の葉
受け取ったものは一つの手紙と鍵だった。
からりと手のひらの上でそれは踊る。
『親愛なるサヨコとなりし君へ。
あなたにこの鍵を託します。
あなたがあなたであるために。あなたにとっての最高の鍵となりますよう。
これはあなた自身なのですから。
ただ伝えるだけのサヨコ』
赤い小さなリボンのついた鍵は少しばかり錆びれていて、
思わずそれを手にした時そのざらついた感触に思わず瞳を細めた。
これが、サヨコ。
伝説と言われていた、嘘かとも言われていたその実体に震えが止まらない。
そう私はこれを手にした。
手にし、そしてこの幸運に今打ち震えている。
最高!
この幸運を手にした今、自分がどうすべきなのかも知っている。
そう、今年は。
八番目のサヨコの年―――――。
その封筒を投函した後、思わず一つため息をついた。
「・・・・・・これで役目は終了、かな」
独り言を呟いて踵を返すと元来た道を辿る。
約束どおり自分は伝えるだけのサヨコを演じた。
ただ黙っていた一年間やっとこの手で終わらせることが出来た。
「さすがに姉ちゃんのようにはいかないけど」
果たして選んだ相手はあの人で良かったのかという問いが浮かぶも、
それ以上に適任者はいないと判断していたから。
あとは生かすも殺すもその人次第。
その言葉を伝えるのはその人の役目。
「さて、どんな答えを見つけるんだか」
一人で肩を竦めて呟く。
ただ黙っているだけの一年間。
じっと目を凝らして見ていたのはそれを受け継ぐための適任者。
伝えるだけのためのサヨコはこうしてようやく終わりを告げた。
今、八番目のサヨコへ巡る―――。
+あとがきもとい呟き+
始まりました、今度は八番目を題材です。今年は八番目ですから。
もちろんあの人達も出てきますよ〜。ゆっくりではありますが、頑張って連載しますので。
読んで頂けると嬉しいです♪
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