同窓会ー見知らぬ友人ー 8
「キーワードから考えようか」
もう暗くなりつつある薄曇の夜空に星が輝き始める。
今日は、七夕。彦星と織姫が一年に一度逢瀬を重ねられる、唯一の日。
そんな日に私達、ここ西浜中学のかつての友人たちが集まっていた。
この日に意味することそのものはわかっているから。
サヨコに関係することだっていうことは。
「玲は『きせき』、俺は『過去と未来』、まあが『真と偽』、ユキが『学校』、加トが『鍵と扉』、溝口は『願い』、津村は『仲間』」
「共通って言えば前回のサヨコに当てはまるってことかな」
秋の言葉に私は声を挙げた。
「え?」
「だってそうだろ、ユキの『学校』これはサヨコ自身がいる場所を示す。加トの『鍵と扉』、これはサヨコにとっての大切なキーワードだ」
「そして私が持ってた『真と偽』は本来なら関根くんと津村さんが六番目のサヨコだったのに私や玲が入ってきた」
「うん、そうだと思う。・・・・・・溝口の『願い』、これはほとんど、俺は違ったけれど『サヨコになりたい』その願いを示すと思う」
確かに言えてる。誰もがその主人公になることに憧れた。
「で、私が持ってる『仲間』は結局六番目のサヨコ、そのものに関わり、そして交流を深めた友達を示すのかしら」
沙世子は呟く。友達を大切にすること、仲間と言うのはかけがえのないものだということを私達は知った。
「そうじゃない?玲が持ってる『きせき』は開くはずないと思っていた『扉』を開けたことを示すんじゃないの?」
ルールから違反していた六番目のサヨコ。ばれてしまったし、ばらしてしまった。
それにたくさんのサヨコが現れたのも事実。
それがまあだったり私だったり。扉は開くと、そう言われていたのはちゃんとサヨコを成し遂げてからと言われていただけに落胆の色は大きかった。
でもあの火事の日、確かに私と沙世子は見たのだ。
扉が開くのを――――。
だから、『きせき』。
でも、それだけじゃないような気がするの。
「溝口の言ってること当たってると思う。多分、ここまで挙げてる分はいいんじゃないか?・・・・・・玲?」
秋は怪訝そうな顔をして黙ってる私を見つめた。みんなの視線が私に向けられる。
「――――確かにそれもそうだけど、それだけじゃないような気がする」
私は頷きながらも別のことを考えていた。
口をへの字に曲げて、考え込みながら、どこかで違和感を覚えていたから。
だけどそれだけじゃ、理由は見つからない。
「サヨコにとって、この全てのキーワードは『自分』という存在を表すものよね」
沙世子が唐突に言葉を口にした。加トが相槌を打つ。
「あぁ、そうだ。だが、それに何の意味がある?」
「だからよ、『自分』――即ち『個人』、『個々』たるもの。サヨコと言うそのものの人格」
「あ・・・・・・」
それに反応したのはまあだった。
「自分はここにいる・・・・ってこと?」
「じゃあ何、これは本当にサヨコ自身が出した手紙だと言うの?」
溝口が驚きの声を挙げる。
確かにその意味はわかるような気がした。
サヨコというそのものを始めたのは私たちの恩師の黒川先生だった。
だから、半分はどこかで思っていたかもしれない、黒川先生が出したサインなのかもしれないと。
でも、どうして。
どうやって。
次々に増えていく疑問。
その答えはどこから出せば良いのか。
「――――-サヨコの、サイン。SOS・・・・・・?」
私は自然とこの言葉を口にした。
皆のぎょっとする瞳が見える。それぞれの双眸に映し出されるのは何とも言えない驚いた色。
「かも、しれないな」
誰かいただなんて気づかなかった。
はっとして顔を上げたその先に、暗がりの中に見えるのはかつての恩師。
「黒川先生・・・・・・・・・」
暗いはずの視界はなぜかはっきりと見える。
輪郭も何もかも。
+あとがきもとい呟き+
黒川先生までが登場です。あの時に出てきた人たちはほぼ。
さて、もうわかりましたか?謎かけは。
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