同窓会ー見知らぬ友人ー 7









「何でって顔してるわね」

相変わらずの笑みを浮かべて、沙世子は小さく呟く。

「私も呼ばれたの。―――――サヨコに」

空気が急に冷えていくのを感じた。みんなの間に沈黙が降りる。
手に持っていた手紙がひらひらと揺れていた。

「俺らみんなサヨコに呼ばれたんだよ」

秋も頷きながらそう言った。皆無言で頷いていた、いや頷くしかなかった。

「目的は何?」

溝口の言葉に私達は眉を潜める。誰しもそのことを考えてきたはずなのに、簡単に答えは出ない。
目的は何なのか。
どうして私達なのか。

「ここにいるメンバーって、『六番目のサヨコ』に関わってきた人間だよな」

秋の言葉に「そうだけど?」と私は小首を傾げて見つめる。

「7月7日、この意味はわかるだろ」

「『7月7日7時――逢魔が時にサヨコは姿をあらわす』、そう言われてるよね」

まあが頷いて言葉を付け足す。
それで私とまあと秋と沙世子はあの日、残った。
そして、私は偶然にもその奇跡を見てしまった、そのことは記憶に新しい。
でもそれを見たのは私だけだけど。

「そう、だからこの日、この時間を指定した――――それは合ってると思うんだ」

「確かにそのことに関しては異論はないよ」

秋の言葉に加トが珍しく同じ意見を示した。
それを見て私は少しだけこの二人の距離が短くなったのかもしれないとちょっとだけ思ってしまう。
それぐらい加トは秋に突っかかってきたし、反発も強かった。
でも秋はそれを気にしてる様子はなかったのだけど。

「そして来年、例年通りあるのならば『七番目のサヨコ』があるんだ」

「あ」

皆が顔を見合わせ、そして最後には秋の顔を見つめた。
そうだ、今年で二年が経過している。来年、あるのならば七番目のサヨコの年。
そんなこともすっかり忘れていた。

「私もそのことが気になっていたの。来年、やるのかしら」

さあっと風が校庭を突き抜ける。
沙世子が静かにその長い髪の毛を揺らしながら呟いた。
確かにあの騒動が起こった後だ。
サヨコは続くのだろうか、そして今もそれを受け継ぐ人間がいるのだろうか。
様々な疑問は降って湧いては消えていく。
答えを持つことないまま。

「サヨコの、存在の意味を俺らに聞いてるの?」

ふいにユキが呟く。


『サヨコの存在、そのものの意味』


考えたことなかった。
サヨコがいるのが当たり前だったから、私達はあまりにも近すぎた。
そして遠くなった今、それを問うものがないのか。


「存在の意味・・・・・・」


私達は再び黙り込む。
さっきまで茜色だった校庭の色がだんだんと闇の色に染まっていくのが見えた。
じわりとにじり寄る時が一刻、一刻と近づくのを肌で感じながら棒のように立っていた。



私達はサヨコ、そのものの意味を考えなければならないらしい。









+あとがきもとい呟き+
どんどん謎に迫っていきます。
サヨコの存在、それは何を意味するのか。
いるはずのない人でもあり、でも信じていればいる。
私もそれについては随分と悩んだものです。