同窓会ー見知らぬ友人ー 10












「あ」

唐突にユキが声をあげる。

「な、何よ、ユキ」

まあが慌てて振り返ると「今何時?」と呟いた。

「6時58分・・・・・・・あ」

返した秋もまた呟く。予定の時間は7時だった。

「7時じゃ、ないものね・・・・・・」

溝口の言葉に私ははっとした。あの日見たものは、今見れる?
私が校舎にかけようと身構えた時だった。

「あれ」

沙世子が呟く。
指し示す先は校舎、そして――――幻。

うっすらとしか見えないけれど、校舎にはあの時のいつもの私たちの光景が映し出されていた。
学校で学ぶ様子を。体育をしている生徒も、何もかも。
それは亡霊を見ているようだった。

「うそだ・・・・・・」

加トは呟いた。誰もが嘘だと言いたくなる。
私に秋にまあに沙世子。
そして、先生。
目を見開いて私達はそれを食い入るように見つめる。
多分それほど長い時間じゃなかっただろう。
10秒もなかったことなのに、とても長く感じた。
ふっと消えると碑が一瞬だけ光った。
そうして、またいつもの静けさに戻る。

「サヨコ・・・・・・」

私は呟く。
一瞬だけどその見た幻を忘れることはないだろう。
そしてここにいる皆も同じ気持ちだということを。


「サヨコ、伝えよう」


私が言うと、皆黙って頷く。
今日は七夕、そしてサヨコが現れる、そう伝えられている日。
奇跡を見た私達はもう一度顔を見合すと誰からかはわからないがくすっと言う合図で笑い始めた。

そうして思う。
久しぶりに会ったみんなの顔が最初の時よりも緩くなっていること。
そして、誰もが今は笑顔だということ。
『中学の時の仲間は良いぞ』
そう言った先生の言葉を思い出して、私はまた笑った。
こうやって会って、ちょっとだけ同窓会っぽくなったかも、と思う。
そう思うと、ちょっとしたサヨコの謎かけはいいきっかけだったのだと私は思った。


皆に出会えたことに喜びを。


そして、見知らぬ友人に感謝を――――。














季節は巡る。
また春が訪れ花がまだ咲く前の少しだけ淋しい季節。
一通の封筒と鍵をある人へと届ける。



―――――七番目のサヨコの始まりだった。

















+あとがきもとい呟き+
ここまで読んで頂きありがとうございました。
やっとのことで連載終了です。いや、自分頑張った。恋愛色も何も入れないでと言うのは辛かったです。
しかも謎かけをしたもんだから余計に。うーん、ミステリには程遠いな、と自分なりの感想。
それでも楽しんで頂けたのなら私は嬉しいなと思っています。
このタイトルの意味も書けて良かったです。危うくタイトルの意味も書かずに終わりそうで冷や冷やしました。
まぁ、自分的にもちゃんと書けるか心配だったこの作品。
案外書けて良かったなと思っています。うん、書き終えた時の充実感が一番好きだわ。
また暫く書くことはないかもしれません。というのも、ネタがない(きっぱり)
このネタはずっとあたためていただけあったんで。
この仲間達がその後どうなるのか、アナザーストーリーだけは書いてみたいとは思いますけどね。
そうなると六サヨから結構かけ離れるんだろうな、そう思うとちょっとかけずにいたり。
また色んな人がそうやって書いてたりするから被りそうな気がしたし。
なので、暫くは更新しないと思います。
また再放送やると言われたら考えるかもだけど。

何はともあれここまで読んで頂き、お疲れ様でした!


2004年 12月末日