07. 初夏


木々が生い茂げ始める季節。
少しずつ暑くなる日中の気温。
木々の間から差す陽の光はまぶしい。
行き交う交差点のアスファルトは熱を帯び。
着ている制服にも汗がにじむ。
高校2年生が始まって3ヶ月が過ぎた。
色々と環境が変わり、めまぐるしく過ぎ去っていく1学期。
その1学期の終わりを示す期末テストがもうすぐある。
『学校』という特殊なものには必ずある“夏休み”。
それを目標に頑張るクラスメイト達。
クラスのざわめきを横に。
西日にかわりつつある太陽が差し込む教室の窓側で。
俺たちはぼーっとしていた。

「あーもう少しでテストだぁ〜!!」

叫ぶのは長谷川。
それを横目に宿題をするのは斗真。

「だぁ〜っ!!うるせーよっ!集中できないじゃんか」

今度は斗真が叫ぶ。
そりゃあ自業自得だろ。
と、言いたいところだけど言わない。
これ以上煩くなると、暑苦しい。

「第一宿題やってきてない斗真が悪いじゃん」

余計な一言を言う長谷川。
おいおい…また余計なことを……。
どうしてこうなるってわかってて言うのかね。

「うるせーよっ!たまたまだ!ハセジュンには言われたかない」

素直に応じる斗真も斗真だけど。
たく、何やってるかな二人とも。
1つため息をつく。

「あのさー。さっさと手を動かさないとソレ終わんないよ」

俺はあきれながら言う。
指差す先はワーク。

「だぁーっ!!やべぇ」

そう言うとまた宿題をやり始めた。
そういうとこ、ちっとも変わってない。
俺は高2、斗真は高3。
そもそも何で歳の境界線があるんだろ。

「何難しい顔してんの」

問題を解いてるはずの斗真が声を掛けてきた。

「別に。宿題は終わったわけ?」

「まぁね。一応終わりました」

ふふんと自慢げな顔。
俺はそれを無視して窓の外を見る。

「夏休み、少しでも時間があったら遊ぼう」

斗真からの提案。
俺は「え?」と驚く。

「もう夏休みなんだし、ドラマの撮影って言ったって少しは空くじゃん。ね?」

暑さを知らない笑顔で言う。
何でこういう顔するかなぁ。
歳を感じないよ、ホント。
だからずるいって時に思うんだよ。

「わかったよ」

なら、良しと言わんばかりの顔をして長谷川にも「お前もだぞ」と言っていた。
ハセジュンも「仕方ないなぁ」と言いつつもまんざらでもないらしい。
夏が始まる季節。
俺たちの夏休みはこれからだ。





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