木々が生い茂げ始める季節。
少しずつ暑くなる日中の気温。
木々の間から差す陽の光はまぶしい。
行き交う交差点のアスファルトは熱を帯び。
着ている制服にも汗がにじむ。
高校2年生が始まって3ヶ月が過ぎた。
色々と環境が変わり、めまぐるしく過ぎ去っていく1学期。
その1学期の終わりを示す期末テストがもうすぐある。
『学校』という特殊なものには必ずある“夏休み”。
それを目標に頑張るクラスメイト達。
クラスのざわめきを横に。
西日にかわりつつある太陽が差し込む教室の窓側で。
俺たちはぼーっとしていた。
「あーもう少しでテストだぁ〜!!」
叫ぶのは長谷川。
それを横目に宿題をするのは斗真。
「だぁ〜っ!!うるせーよっ!集中できないじゃんか」
今度は斗真が叫ぶ。
そりゃあ自業自得だろ。
と、言いたいところだけど言わない。
これ以上煩くなると、暑苦しい。
「第一宿題やってきてない斗真が悪いじゃん」
余計な一言を言う長谷川。
おいおい…また余計なことを……。
どうしてこうなるってわかってて言うのかね。
「うるせーよっ!たまたまだ!ハセジュンには言われたかない」
素直に応じる斗真も斗真だけど。
たく、何やってるかな二人とも。
1つため息をつく。
「あのさー。さっさと手を動かさないとソレ終わんないよ」
俺はあきれながら言う。
指差す先はワーク。
「だぁーっ!!やべぇ」
そう言うとまた宿題をやり始めた。
そういうとこ、ちっとも変わってない。
俺は高2、斗真は高3。
そもそも何で歳の境界線があるんだろ。
「何難しい顔してんの」
問題を解いてるはずの斗真が声を掛けてきた。
「別に。宿題は終わったわけ?」
「まぁね。一応終わりました」
ふふんと自慢げな顔。
俺はそれを無視して窓の外を見る。
「夏休み、少しでも時間があったら遊ぼう」
斗真からの提案。
俺は「え?」と驚く。
「もう夏休みなんだし、ドラマの撮影って言ったって少しは空くじゃん。ね?」
暑さを知らない笑顔で言う。
何でこういう顔するかなぁ。
歳を感じないよ、ホント。
だからずるいって時に思うんだよ。
「わかったよ」
なら、良しと言わんばかりの顔をして長谷川にも「お前もだぞ」と言っていた。
ハセジュンも「仕方ないなぁ」と言いつつもまんざらでもないらしい。
夏が始まる季節。
俺たちの夏休みはこれからだ。
終