疼く傷


ナチュラルなんてバカな存在だ。



そう思っていた。



けれど、そうじゃないのかもしれない。




一人ずっと独房の中で考える。
あの女はどうして俺を庇ったのか?
不思議で仕方なかった。
あの女の彼氏が死んだらしい。
俺らとの戦いで。
俺自身は手を出してない。
恐らくイザークかアスランだろう。
なのに、俺を庇った。


バカだよな、ナチュラルなんて。


そうは思っていてもやはりしっくりこない節がある。
あの女に聞いてみたかった。



『どうして俺を庇ったんだ?』――――と。



彼氏を殺した同じコーディネイターだぞ?
殺されたって仕方ないって思ったのに。
なぜ、あの女の行為がここまで俺の心を蝕む?



「私、違う」



そう言って首を横に振ってたアイツ。
じゃあ、何で俺を襲ったのに庇ったのか。
あの『違う』には何を意味するのか。
聞いてみたい。
話してみたい。
ただ、そう思っただけだ。



額の傷が疼く。
もし。
もし会えるのなら。
聞いてみてはダメだろうか?



なーんて、バカだよなぁ俺も。
ナチュラルの女の言動でこんなにも振り回されるなんてさ。
こんなことイザークが知ったら鼻であしらわれるな。
それとも「お前そこまで落ちたのか」と平気で言うだろう。

くすっと笑う。
自嘲した笑み。
こんなにも気になるのはなぜなのか。



俺も落ちたもんだよ、ホントさ………。





END