哀しみも全て空に溶けて

その尾翼に、その機体に思わず声を失う。
聞こえてきたのはここにいるはずのない親友の声。

「そんな、ハズは・・・・・・」

あれは、今ここにはあるはずなかった。呟く声が僅かに震える。
でも目の前にある機体には見覚えがある。
一緒に戦ってきた親友が乗っていた機体。
極秘にオーブで直されていたことは知っていた。
でも、何で。

何で、ここに。


「アスラン」

小さな声で、でも確かに響く親友の声に何ともいえないものがこみ上げる。

「キ・・・・・・ラ・・・・・・・・・」

やっとのことで出した声音は震えていた。
いつか、こうやって再会した時もそうだった。
抑揚のない声音がアスランの耳にこびりついて離れない。
絞り出したその声でその名を呼んで。
かの声を聞いていたインパルスに搭乗しているシンは眉を潜める。



「キラ? ・・・・・・キラ、ヤマト?」



かつての戦争での英雄のその名にシンもまた信じられないと言う顔をして。
じゃあ、この機体は―――Xナンバーのフリーダム。

「アスラン、僕が来た意味、わかるよね?」

抑揚のない声がしんと、その場を凍らせる。
いつだって、敵にいた時でもこの親友のことを忘れたことはない。
今だって、そうなのに。

想いはすれ違う。



「キラ・・・・・・・・・」



アスランの呟きはキラの耳に届いたのか、定かではなかった。
もう敵になることはない。
そう信じていたはずのキラが今目の前に立って自分に刃を向けていることに、
アスランは悔しさと自分の不甲斐なさに脱力せざるをえなかった。
自分達はどこへと向かっているのだろうか、それすらわからなかった。





post script
フライングでアスランとキラが再び刃を交えた時のことを考えていた時のもの。
このネタを出そうと思って出しそびれちゃってて。
どうせだったら、こっちで使ったほうが良いかーと思って載せてみました。
こういう出会い方大好きです。だからSEEDの第一話大好きですよ♪
今はキラもアスランも一緒にいて嬉しい限りですが(笑)


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