あなたとまた巡り会いたい―――











何度巡り会っても













静かな墓地。鳥のさえずりが聞こえてくる。
明るく照らす太陽。


私達が求めてた――『平和』と言う名にふさわしい風景。



「トール。来たよ」


私はそう言うと持ってきた花束を墓前の前に置いた。
昨日降っていた雨のせいで少し濡れている。
朝露は太陽の光で輝いていた。

「私は相変わらずよ。皆も元気にしてる」


くすり、笑う。
その中にいて欲しかった、――あなたの存在。
半ば自嘲的とも言えた笑い。


「ミリアリア……」


背中の向こうに――キラがいた……。


「キラ……」


彼は困った顔をしながら持って来た花束を添えた。
良かったね、トール。

「やっぱり来てたんだね」


「うん」


言葉少なげに答える。
何を言っていいのかわからない訳じゃない。
……言えないのだ。


「『ミリィは生きてるんだから、前を見なきゃダメだ。たとえ、隣にいるのが俺じゃなくても』」



「え?」


キラの突然の言葉に私はびっくりする。



「って言うと思うんだ。トールは。だっていつも言ってたよ?『ミリィがいると俺は前を見ていられるんだ』って」



私の表情から読み取ったのだろうか?
自分でもわからない感情が込み上げてきた。
つっと瞳から溢れる一雫。


「……キラの、バカッ。何で、何で……」



止まらない、涙。
込み上げる、想い。
あなたという存在の大きさ。
友達の、優しさ。

しばらく私が泣いているとキラがハンカチを差し出した。
私は黙って受け取る。
そしてキラはこう言葉をこぼした。


「迷ってるんだろ?」





「――何を?」


わかってる。何が言いたいのか。
それでも、私は――



「自分の気持ちに。トールのことも、ディアッカのことも」



まっすぐ見つめるキラの瞳。
昔には見せなかった目。



言葉で答えるのが何となく癪でこくんと頷いた。
消してしまうんじゃないかという、トールへの想い。
そして。
少しずつ惹かれている、ディアッカへの想い。
どちらもそれぞれの魅力がある。
わかってる。
私は生きてる。
あなたが残してくれた命だから。
前を向かなければならないことも。
トールだったらそう望むことさえも。






わかってる。







「トールはきっとミリィが生きることを望むよ。どんな形でも。誰を想っていても」



そうね。
あの人はきっとそう。
自分のことなんかよりも私のことを考えてくれる人だったから。
そんなあなたの優しさが好きなんだもの。



「トールは消えないよ。ミリィが、忘れない限りね」


そう言ってキラはふわっと笑った。
その笑みがなんとなく彼の彼女を思い起こさせる。
こう優しい笑顔を作れるようになったのも、きっと彼女のおかげね。




「うん。そうね――」



私は頷いた。
トールは私の中にずっといるのだから。
たとえその時は別の誰かを想っていても、忘れない。




「もし、生まれ変わるとしたら……またトールと巡り会いたいな」



ぽつりと漏らしたその言葉に。
キラは「そうだね」と頷いた。



「その時は絶対にトールと幸せになるんだもん」



うん。そうよ。
また生まれ変わったらあなたと会いたい。
どんなに遠くにいたって。
どんな立場だって。
きっと、あなたを見つけるわ。


「そうそう。ミリィはそうでなくっちゃ」


キラが笑う。
私もつられて笑った。









いつか、きっと―――……








願わくばあなたともう一度巡り会うことを信じて―――










END