儚き者





「次に戦う時は、オレがお前を撃つ」




そう言ったアスランの表情(かお)が頭から離れない。
言葉も耳に残ってる。
消されない、言葉と表情。
あの時の頃とは違う、自分達。
あの頃のようには戻れないのか?



プラントへ引っ越す日のこと。

ヘリオポリスでの偶然の再会。

ラクスを送った時のこと。

オーブでの再び再会した時のこと。



アスランの表情はしっかりと覚えてる。
忘れたことは、ない―――……


僕たちは敵同士にならなければならないのだろうか?



そうだとしたら、何て運命というのは皮肉なんだろうか。


大好きな親友。


戦争なんて嫌いだと言っていたのに。



いつか会えることを信じていたのに。



会えたと思ったら、敵同士。


いつも君に甘えてたね。


頼っては文句を言いながらも僕の課題を手伝ってくれた。


それが煩い時もあったのだけど。


ホントは嬉しかったんだ。



ねぇ、アスラン。


僕はやっぱり君の敵にならなきゃならないのかな―――………















「僕もだ、アスラン」





そう言ったのはかつての親友で。

3年ぶりの再会は、敵同士だった。

何でだよ、キラ。

プラントに来るって言ったじゃないか。

なのに、なんでココにいるんだよ。

何で、そんなものに乗ってるんだよ。


昔は泣き虫で、甘ったれで、俺がいなきゃ課題もやらなくて。

最後には泣きついてくる、そんな奴だった。

でも、優秀なんだ。キラは。

ただ、サボってるだけ。


そういう奴だったのに―――。


何で、よりによって。

再会したと思ったら、敵なんだよ。



どうして、お前が俺の敵にならなきゃいけない。


大好きな親友。


もう、あの頃のように戻れないのだろうか?
楽しかったあの日々には戻れないのか。


なぁ、キラ。


お前と敵同士になんてなりたくないんだ。


こっちに来いと言ったのに、言うこと聞かなくて。



ホント、バカだ。



別れたあの日のこと。今でも忘れない。


もう、昔のようには。




戻れない、そんな自分達。



でも、もしいつか叶うのなら。

もう一度あいつと一緒に、楽しく笑いたい。


そんな儚い夢を、ちょっとだけ信じてる。

可能性はまだ、ゼロじゃない。



だから…………。






END