俺はその表情を見て少しドキッとした。
幼なじみである潮田玲の顔を。
いつもは感じないことなのに。
なぜだろう?
すごく引っかかるものがあった。
文化祭の準備日。
俺はみんなと一緒になって写真撮影をしていた。
途中クラスの女子と遭遇。
その中に玲もいて。
「秋ーっ」
と俺の名を呼ぶ。
俺がカメラを持ってるをの見て玲も自分の持ってるカメラで俺たちの方を写そうとする。
いつものことなのに。
写真を撮り終えた玲は笑ってこっちを見ていた。
玲が笑ってる姿をファインダー越しに見て。
なぜだか、見惚れた。
俺はシャッターを押さずにただ呆然とする。
正直どうしていいかわからなかった。
その時思ったのは。
俺の知ってる玲の顔じゃなくて、知らない玲の一面だと言うこと。
ぼうっとしてるうちに玲は走り去る。
いつの間にか俺の知らない表情をするようになった玲。
まただ、と思う。
日々成長していく玲の姿を見て、戸惑いを感じていた。
さあっと心地よい風が吹いている。
さわやかな秋風。
少しばかり切なくなる季節。
俺の気持ちも切なくなる。
玲がいなくなったあとの廊下に1人佇んで。
まだ吹いている秋風を髪になびかせていた。
それは初秋の頃。
翌日は文化祭、そんな時だった――。
終