ロミオとロミオは永遠に
題名からしてまずは「何これ?」と思わせるような感じです。しかも表紙が独特。
一瞬SFか?とも思ってしまいました。
舞台は未来の東京。しかもこの未来すごく暗い……。
今の日本の末路って感じがして嫌です(苦笑)
そのためにはやっぱり環境問題とかちゃんとしなきゃと思わせるモノでした。
ってちょっと話は逸れましたが。
すごいですよ、この話。最後までドキドキしっぱなし。
最初はこの話を飲み込むだけでいっぱいいっぱいだったんです。何せみんなカタカナ名。
カタカナ苦手なんだってばさと突っ込みながらキャラクターを覚えてましたね。
学園モノなんですが、何だろ、ハイテク学園みたいな感じです。
主人公アキラに親友のシゲル。この2人の過去もまた何ともいえません。
特にアキラの過去が後々大きな意味を表してるのです。
まぁそこら辺はやっぱり読まないと面白くないので、説明はここら辺までにさせていただきますが。
クラス名も変わっていて、一番良いクラスで1年生は江東クラス。
大体わかると思いますが、クラス名に東京23区やその他の地名を使っているのも特徴です。
アキラとシゲルは最初葛飾クラス。そのうち二人の命運を分けるテストによりアキラは墨田クラス、シゲルは江東クラスへと進みます。
そして何より忘れてはいけないのが『新宿クラス』です。
この新宿クラスはいわゆる問題児が入れられるクラス。
ここに入れば二度と出られないとまで言われるクラスであります。
この舞台となる大東京学園の表と裏の顔が隅々に渡って描かれてます。
一見SFチックなのですが話はやっぱりミステリ。久々に楽しませていただきました。
以下は恩田先生のあとがきを抜粋しました。

「二十世紀。それが人類の歴史上類を見ない爆発的な変貌を遂げた時代であるのは誰もが認めるところでありますが、我々凡人にとっては、洪水のようなサブカルチャーのディテールを積み上げ、それに熱狂した不思議な時代であったと思います。
この愛すべきイメージのオン・パレードであった二十世紀を、私なりに処理したいと思ったのがこの『ロミオとロミオは永遠に』です。」

確かにこの物語はいたるところに「二十世紀」が散りばめられています。
自分達にとって二十世紀とはどんなものだったか。
懐かしき古きよき時代――そんな言葉がぴったりだったなと思う部分もあれば、暗い戦争ばかりの時代だとも言えるでしょう。
それが二十世紀。
二十世紀を知らないアキラやシゲルにとって憧れるべき時代。
今の私たちの生活を振り返ると同時に自分達の過去を比べて読める、そんな作品です。
ミステリにある意外性もたくさんあります。
読んで損はないです。是非一度ご覧くださいませ。


『ロミオとロミオは永遠に』/恩田陸/早川書房
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