蛇行する川のほとり
全3巻あり、1巻ずつ語り手が違います。
1巻は毬子、2巻は芳野、3巻は真魚子。
過去にあった事件を追想じゃないですが、謎を解くって感じです。
3巻の真魚子だけがこの事件の第三者的立場。
この子たちは高校生、久々に学生がメインということで楽しみだったことを覚えています。
香澄、芳野、毬子、月彦、暁臣。
この五人が、香澄の家で夏の終わりにある演劇祭の舞台背景を描くために集まることから物語は始まります。
出だしはいかにも恩田先生らしく、言葉を小出しにして先へ先へと導くって感じです。
香澄と言う存在の強さ、芳野の絵の才能、毬子という少女の脆さ。
どれもが登場人物の個性が出ていて誰に負けることなくあるというのは良いなと思いました。
何よりも3巻のそれぞれの動きが好きです。真魚子の語り手である3巻は全ての謎への完結、それにふさわしい真魚子という存在。
扉ページの次に出てくる序文『ひとつの話をしよう―――』から始まる文の意味が最後の最後に引き立ちます。
あぁ、こう言う意味だったのかと。
装丁も可愛く仕上がっており、少し本を読むことに抵抗を感じる人でもとりやすいような感じです。
私的にはオススメかな。
恩田先生の作品に出てくる少女たちは芯が強く、でもどこか弱い部分を持ち合わせていて、十代ならではの少女像が出ています。
この作品もそんな感じに仕上がってるのではないでしょうか?
ネバーランドや六サヨが好きな人には読みやすい作品と言えるんじゃないかなと思っています。
この年で出た作品の中でこの話が、私は一番好きです。


『蛇行する川のほとり』/2002年12月10日〜2003年8月25日(初版)/中央公論新社
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