うたたね











ほら、知ってるでしょ?
うん、そう有名なあの人たち。
何だっけ、派閥では『できそこない』とか『成り上がり』とか言われてたのにさ。
あの戦いで家名は貰うし、魔力は人よりも高いし。
何よりもあの兄弟子?も優秀じゃない。
うん、そうそう。
この間見かけたのよ、その二人を。
え?
いいでしょー。でもあの二人、傍から見ていればただのバカップルだわ。
そうよ、そう。
バカバカ言い合ってるんだけど、私達からしてみれば独特の二人の空気が流れているって言うの?
誰も入れないような雰囲気なのよ。
あー、思い出しただけでバカらしって思うんだけどね。
まぁ、世の中にはこんなのがあっても私はいいと思うのよね。
ほらほら、ここにいたら見えると思ったのよ。ね、いるでしょ?
あの二人。





日差しの和らぐ昼下がりだった。のほほーんと木陰の下で寝そべる少女が一人。
まぁ、少女と言うには年がそろそろ違う頃合なのだけれど。
「トリス」
鋭い声が彼女の脳を直撃する。
「ふみゃ……」
彼女は閉じていた瞳をぼんやり開きながら周りの景色を確かめた。
そこに現れるは、蒼の派閥でも優秀とされるネスティ・バスクの姿が確認できた。
「あ、ネスぅ〜」
うみゃーと声を喉から出すと、彼を見遣る。
「君はバカか?第一もう20にもなろうとしてるのにここで大の字で寝そべるバカがあるか!?」
少々声を荒らげ、兄弟子であるネスティは「第一スカートを穿いていると言うのに。ここにいたのが僕だから良かったものの…」とぶつぶつ呟いた。
「むぅ。だってネスすぐ終わるって言ったのに全然帰ってこないんだもん」
つまんなくて眠っちゃった。
「だからってなぁ…!」
そう言いかけたところで言葉に詰まった。これ以上注意しても無意味なような気がする。
ネスティは一つ深いため息をつくと、「ほら、行くぞ」と促した。
「はぁい」
と、幼い子が返事をするように私もまた立ち上がる。

「ね、ネス」
「何だ?」
「今度は一緒に昼寝しようよ」
にこにこと笑いながら兄弟子の腕に絡んで提案する。
一瞬困ったような顔をしたが、諦めたのかわらかないけど苦笑いしながら。
「そうだな」
と一言ぽつりと呟いた。
まさか本当に承諾するなんて思いもしなかったから、一瞬言葉に詰まるも。
「今度ね♪」
そう言ってぎゅっと腕を掴んでいる自分がいた。








ほら、見たでしょ。
あの二人あんな感じなのよ。
見てるこっちが恥ずかしくなるわ。
ホント、ごちそうさまって感じよね。






END



あとがきという名の言い訳
あははは。ホント、ご馳走様ですって感じ。
自分で書いてて笑ってしまいました。くそぅ。
第三者視点を入れてなんですが、あえなく撃沈。
また頑張ってトライしてみます。うーん。