hapiness




まぶしい太陽の光を遮る大樹の下でのんびりと時の動きを感じていた。
こつんと自分の頭を彼の肩にあてる。
彼は読書をしているその手を止めた。


「トリス?」


私は黙って彼の肩に身を預けたまま。


「トリス………?」


もう一度彼は私の名を呼ぶ。
訝しげな表情してるんだろうななんて思いながら私はのろのろと顔を上げ、彼を見上げた。
穏やかな時の流れは今までの日々を忘れさせてくれるような感じで。
今、自分がここにいること自体不思議な感じがするななんて思った。


「………何でもない。なんか、幸せすぎるなぁって……」


おかしいよね、私と苦笑いすると、彼は手を伸ばし頬に触れる。
差し伸べられた手に私は自分の手を重ねた。
触れる手はあたたかい。
生きていると言う実感。
そして。
彼がここにいるという安心感があった。
彼は何も言わない。
私もまた彼の瞳を見つめたまま――――………。
俄かに朱に染まる頬が熱を持つ。
以前ならこんな雰囲気に耐えられなかったはずなのに。
今ではごく自然な感じで、なんだかくすぐったい。
私が「ネス」と言ったのと同じくらいに彼の顔が近づいた。
私は瞳を閉じる。
重ねられた唇は温かかった。
唇が離れると私は彼を見つめ、「大好きだよ、ネス」と顔を綻ばせる。
彼もまた「僕もだ」と笑みを零した。


END