※レインバッドエンディングを基にしています。悲しいのは嫌という方は回れ右!
※嵐の『声』をベースに書いてます。
風がふわりと赤と白の混ざった髪の毛をさらう。
緩やかに流れる時を肌で感じながら、ふっと青い空を仰いだ。
記憶の片隅に忘れようと懸命になった時もあったその想いは、今の方が強く自分の胸に刻まれている。
忘れようと思っても忘れられるわけがない。
あの笑顔を忘れようと思っても、深く根ざした想いがあることにレインは気づいて以来、その想いを自分の生が終わるその日まで大事に抱えていようと決めた。
守りたかった、ずっと。
胸に抱えた自分の想い。
不意に触れたあの指先のあたたかさは時が経た今でも鮮明に覚えていた。
『レインはこの世界を見ていて』
ごめんなさい、と言った後に続いた呪縛のような言葉。
君のいない世界に何の価値もない、と言っても彼女の意思は変わらなかった。
自分が弱かったから。
もっと力があったら、彼女を助けられただろうか。
もう元に戻ることのない時を羨んでも仕方ないことはレインとて分っていたが、あの時の悔しさを拭うことはもう叶うことはない。
「ああ、ここにはあたたかい風が吹いているよ、アンジェ」
まるで君がここにいるようだ、胸の内に呟いた言葉にレインは思わず自嘲の笑みを浮かべた。君には君の想いが、自分には自分の想いがあった。
瞳を細めながら帰らない日々を想う。
『ねぇ、レイン。私、あなたが好きよ』
私はあなたを守りたいって思うわ。
微笑んだその先にあった想いはなんだったのか。
手を取り合って未来を描きたかった。
「今でも好きだよ、アンジェ」
忘れることのない想い。
生を別つ日までこの想いは変わらない。
声を枯らすまで泣いた日々。
そして空を仰ぐ今の時間。
忘れたふりをしても気づけばいつも色褪せぬ記憶がある。
届かない想い、叫ぶように願う祈り。
二人で描いていた未来はその道を失ったあの日。
赤いままの指輪がそれを告げる。
もう返ることのない日。
「守りたかったよ、アンジェ」
愛しい人へと告げる言葉は力を無くすと空へと溶けてゆく。
移ろいゆく時を想いながらその日を待っていた。
彼女の元へと辿り着ける日を待ちわびながら。
終