敦望拍手ログ

【1.思わず触れる(敦望)】(2人の関係 5題(1)



いつになっても慣れないなぁ、と思うのはいつもこんな時だった。

「ね、敦盛さん。あそこに木苺の実が成ってますよ」

「ああ。本当だ」

「食べましょう、敦盛さん!」

「ああ、美味しそうだな」

頷く敦盛に、望美は思わず駆け出す。
と、同時に望美は道端に落ちていた石に引っかかり、「きゃ・・・!」と声を漏らして身体が傾いた。
刹那。
望美の身体が傾斜になったまま止まり、思わず瞬きを繰り返した望美は自分の置かれている状況を考えた。

「神子、大丈夫だろうか?」

望美の腕を支えていたのは、敦盛だった。
間一髪のところで敦盛は望美の腕を引きとめ、転ばないようにと支えていたのが今の状況。

「あ・・・は、はい・・・・・・」

ごくりと喉を唸らせて望美が答えると、ほっと敦盛は息を吐く。
予想外の出来事に敦盛は肝が冷え、望美もまたひやっと汗をかいた。

「神子が無事ならそれでいい」

「敦盛さん・・・・・・」

「本当に肝が冷えた。神子に何かあったらと思ったら胸が急いたんだ」

「ごめんなさい・・・・・・」

望美はしゅんと項垂れ、敦盛は「いや、そういうことじゃなくて」と慌てた声を漏らす。

「私はどうも言葉を選ぶのが下手だな」

「そんなことないです!敦盛さんが心配してくれるの嬉しいし・・・私がドジを踏まなきゃ良いだけだし」

「神子・・・・・・」

それにね、と望美はくすっと笑みをこぼして呟く。

「敦盛さんが、私に触れてくれているのが嬉しいんです。いつも私からでしょう?」

「あ・・・・・・・」

思わず自分が腕を掴んでいたことに気づいて身じろぐものの、望美が嬉しいと言うのに、手を離すわけにいかなかった。

「不謹慎だけど、嬉しいんです」

「神子・・・・・・私は・・・・・・・」

「困らせてるって分かってます。でも、もう少しだけ触れてても良いですか?ちゃんと転ばないように気をつけますから」

「あ、ああ・・・・・・」と頷く敦盛に望美は体勢を立て直すと、敦盛の腕に自分の腕を絡めた。
伝わる熱が敦盛の胸の内に熱を生む。
鼓動が早くなることを抑えられるわけもなく、でも腕を離すのは惜しくて。
触れられることがどれだけ幸せなのか、心満たされるのかを敦盛は知る。

「神子」

「はい?」

「・・・・・・ありがとう」

敦盛の言葉に望美は満面の笑みで返した、それが望美の答え。








*あとがき*
また何か増えたらupします。意外と敦望のログ残ってませんでした。
やっぱ消えたデータの中にあるのか、敦望。