あたためられた
もの

あなたの傍にずっといたいのに。









あの戦いが終わって、かれこれもう半年近くが経った。
お互いの想いがわかっているからこそ、それには決して触れない。
いつ、それが変わってしまうのかわからないから。



傍にいたその肩に頭を預ける。
こつんとあたったそれに、少しだけ横の髪の毛が揺れた。
さらりと流れるその髪の毛が自分の頭にあたる。


「神子?」


「・・・・・・敦盛さん、あったかい」



訝しそうなその視線を無視してその肩にその身を委ねた。
何ら自分達と変わらないのに。


そんな想いが脳裏を過ぎる。


そっとその想いを汲み取るように敦盛の手が自分の肩に触れて寄せた。




「・・・・・・望美」




自分の名前を呼ばれてはっとする。
その言葉に泣きそうな自分に気づいて、自分の手が敦盛の袖をぎゅっと掴んだ。
掴んだ手を敦盛の手が覆う。
触れるその手と手が熱を帯びるように。



あたためられる想い。



触れるだけで伝わる想い。



愛しいと、なくしたくないと願うその気持ちは静かに自分の中で蓄積されてゆく。

「敦盛さん」

名前を呼んで、その視線を自分だけのものにして。

「私、こうやって傍にいれることが一番嬉しいんだと思うんです」

「神子・・・・・・」

「いつか、その時が来ても、私は――――」



覚悟はできていること。
でも、この想いが変わることはない。
あたためられてゆく想いは消えることないのだから。

笑顔でその言葉を静かに告げた。



「私は、敦盛さんのことが好きです」




思わず涙が出そうになって、必死でそれを隠すために笑って。
ぎゅっと裾を握る手があたたかかった。








*あとがき*
この方たち、いつもなぜか暗くなるのはなぜ―――っ!?
いいの、この二人のそんな雰囲気が大好きだから。
次書く話は明るいものでいこうと切実に思いました(爆笑)
敦盛のあの笑顔、たまりません(笑)